デンマーク最大の企業であるコングロマリット(複合企業)のAPモラー・マースクは20日、石油タンカー子会社のマースク・タンカーズを筆頭株主であるAPモラー・ホールディングスに売却すると発表した。経営建て直しに向けた事業再編の一環で、売却額は11億7,000万ドルに上る。
売却手続きは10月に完了の予定。マースク・タンカーズを買収するAPモラー・ホールディングは、同社を複数の企業と共同で運営する。この企業連合には三井物産の出資が決まっている。APモラー・ホールディングが過半数の株式を保有するという。
APモラー・マースクは昨年9月、原油安などで業績が悪化しているグループの経営を改善するため、コンテナ海運世界最大手のマースク・ラインを中核とする運輸・物流部門と、石油開発や掘削、タンカーなどエネルギー部門の2つに分割する再編計画を発表。エネルギー部門は売却などによって分離し、経営資源を運輸・物流部門に集中することになっている。
エネルギー部門では石油子会社マースク・オイルを仏石油大手トタルに74億5,000万ドルで売却することで8月に合意していた。石油タンカー部門の売却はこれに続くものとなる。