欧州委員会は9月26日、眼鏡大手の伊ルクソティカが眼鏡用レンズで世界最大手の仏エシロールと合併する計画について、本格的な調査を開始したと発表した。誕生する新会社エシロール・ルクソティカが眼鏡用レンズ市場を寡占し、消費者に悪影響を及ぼす懸念が浮上しているためで、改めて詳細な調査を進め、2018年2月12日までに合併の可否を最終判断する。
ルクソティカは「レイバン」「オークリー」といった眼鏡、サングラスのブランドで知られる企業。ジョルジョ・アルマーニ、シャネル、ラルフローレンなど有力ブランドの眼鏡のフレームもライセンス生産している。同社は1月、エシロールと合併で合意。新会社エシロール・ルクソティカは眼鏡製品とレンズの両方で大きなシェアを持ち、年間売上高が150億ユーロを超える巨大眼鏡企業となる。
欧州委は新会社がルクソティカの強力なブランド力を生かし、眼鏡販売事業者がルクソティカの眼鏡フレームとエシロールのレンズをセットで販売するように仕向ける恐れがあると指摘。これによって他のレンズメーカーが市場から締め出されて消費者の選択肢が狭まり、レンズの値上がりを招きかねいとして、本格的な調査に踏み切った。
ルクソティカとエシロールは共同声明で、大型の合併案件であるためEUが慎重に可否を判断するのは予想していたとコメント。調査に全面的に協力していく意向を表明した。年内に認可を取り付け、合併手続きを完了させるという目標は変えないとしている。