英格安航空(LCC)のモナーク航空が経営破綻し、2日に全業務を停止した。同社は英5位の航空会社で、同国の航空業界での破綻としては過去最大規模となる。
モナーク航空は1968年に創業。ロンドン郊外のルートン空港を拠点に、北アフリカや地中海諸国に乗り入れてきた。しかし、このところ他のLCCとの競争激化や、チュニジア、トルコ、エジプト便の旅客がテロの懸念増大で急減したことで業績が低迷。昨年に親会社の投資会社から資金注入を受けて再建を図ったが、ついに資金繰りに行き詰まり、破産を申請した。
欧州の航空会社は競争激化で経営環境が悪化しており、今年に入って伊アリタリア、独エアベルリンが破綻に追い込まれた。モナーク航空は英国のEU離脱決定に伴うポンド下落も追い討ちをかけ、経営に行き詰まった。
英政府は2日、約11万人の同社の顧客が海外に滞在中であることから、英民間航空局(CAA)に30機以上をチャーターして帰国便を手配するよう指示した。