独航空最大手のルフトハンザは1日、経営破綻した同2位のエア・ベルリンから一部の事業を取得する計画の承認を欧州委員会に申請したことを明らかにした。欧州委は12月7日までに予備審査を終え、両社の取引を承認するか、本格調査に入るか判断する。
ルフトハンザは先月12日、約2億1,000万ユーロでエア・ベルリンから機材20機と子会社のルフトファールトゲゼルシャフト・ワルター(LGW)、オーストリアを拠点とする格安航空会社(LCC)ニキを取得することで合意した。8月に破産を申請したエア・ベルリンは、他の資産についても英LCC大手イージージェットへの売却で合意している。
ルフトハンザはエア・ベルリンから取得する資産をLCC子会社ユーロウイングスに統合し、競合するライアンエアやイージージェットに対抗できる体制を整える方針。ただ、今回の取引が成立すると、ドイツ国内とオーストリアでルフトハンザの市場支配力が強まり、公正な競争が阻害されて運賃上昇などの弊害が生じる恐れがある。このため、ルフトハンザは欧州委の承認取得に向けて計画の見直しを迫られる可能性もある。