ノバルティス、放射性医薬品の仏AAAを買収

スイス製薬大手のノバルティスは10月30日、放射性医薬品製造の仏アドバンスト・アクセラレーター・アプリケーションズ(AAA)を買収することで基本合意したと発表した。がん治療薬事業の強化が狙い。株式公開買い付け(IPO)を通じて全株式を取得する。

ノバルティスはAAAを1株当たり41ドルで買収する。これは買収観測が出る直前(9月末)の株価を47%上回る水準で、同社を39億ドルと評価したことになる。

AAAは欧州原子核研究機構(CERN)からのスピンオフとして設立された企業で、放射性同位体(RI)を用いた放射性治療薬・診断薬を開発・製造している。同社製品「ルタセラ(Lutathera)」は神経内分泌腫瘍の治療薬として9月に欧州販売が承認されたばかり。来年1月末には米国でも認可審査結果が出る見通しだ。

AAAの売上高は昨年、1億900万ユーロだった。ノバルティスは同社の買収により、放射性医薬品事業に参入する。

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