ユーロ圏共通予算創設案、加盟国の多くが支持

EUは6日に開いたユーロ圏財務相会合で、EUの統合深化に向けたユーロ圏の機構改革について協議した。デイセルブルム議長によると、大きな焦点となっているユーロ圏共通予算を創設する案をめぐっては、多くの国が支持を表明。これを含めた改革案を煮詰め、12月のEU首脳会議に提案する方針だ。

EUでは英国の離脱決定で揺れるEUの結束強化を目的とした機構改革として、EU財務相やEU版の国際通貨基金(IMF)となる「欧州通貨基金」を創設する案などが浮上している。ユーロ圏共通予算の創設は、フランスのマクロン大統領が提唱しているもの。各国が法人税収などを拠出し、欧州規模の開発プロジェクトへの投資、経済危機が起きた場合の対応に充てることを想定している。

今回の会合はユーロ圏19カ国の財務相会合に、EU離脱を決めた英国を除く非ユーロ圏8カ国が参加する形で開かれた。ユーロ圏共通予算創設をめぐっては、欧州委のユンケル委員長が9月に欧州議会で行った施政方針演説で、EUの全加盟国が将来的にユーロを導入することを視野に入れ、「必要ない」として拒否する意向を表明していた。しかし、デイセルブルム議長が会合後の記者会見で明らかにしたところによると、「極めて多くの国の財務相」が、ユーロ圏の財政を安定されるための手段として有益として同案を支持したという。

EUはユーロ圏の機構改革を2018年上期に決定する方針。12月15日に開く首脳会議で、具体案を協議する。ユーロ圏は12月4日の財務相会合で詳細を固め、首脳会議に提案する予定だ。

上部へスクロール