独エネルギー大手のイノジーは8日、英国の販売子会社Nパワーを現地同業SSEの消費者向け事業と合併することで合意したと発表した。Nパワーは赤字続きで経営の足かせとなっていることから、合併によって非子会社化する。2018年10~12月期~19年第1~3月期の手続き完了を見込んでいる。
合併で誕生する新会社はロンドン証券取引所に上場する。出資比率はイノジーが34.4%、SSEが65.6%。
Nパワーの顧客数は電力分野で約300万、天然ガスで約200万。SSEの一般消費者向け事業は同770万に上る。
イノジーは各市場でトップ3に入ることを目指しており、これを達成できない市場からは撤退する方針を打ち出している。英国はエネルギー販売市場の競争が激しく規制枠組みも厳しいことから、同目標を達成できないと判断。今回の取引に踏み切った。同国での風力発電事業とエレクトロモビリティ事業は拡大する考えだ。