離脱交渉で「10日以内」に譲歩案提示を、EU大統領が英首相に要求

EUのトゥスク大統領とメイ英首相は24日、ブリュッセルで英国のEU離脱問題について協議した。トゥスク氏は会談終了後にツイッターで、12月14、15両日に開くEU首脳会議で離脱交渉の第2段階となる通商協議入りを決めるためには、「10日以内にすべての問題について英国側からの進展が必要だ」と指摘。12月4日のメイ氏と欧州委員会のユンケル委員長、およびEUのバルニエ首席交渉官との会談までに譲歩案を提示するよう求めた。

離脱交渉をめぐり、当面は来月の首脳会議で、英側が求める自由貿易協定(FTA)締結など、将来の関係をめぐる協議の開始を承認するかどうかが最大の焦点となっている。EU側は英国が拠出を約束したEU予算の分担金など清算金の支払い、英国に居住するEU市民の権利保護、英国の北アイルランドと国境を接する加盟国アイルランドとの国境管理問題など、離脱条件に関する第1段階の交渉で「十分な進展」がなければ通商協議入りを認めることはできないとの立場を崩していない。

トゥスク氏は首脳会議で通商協議入りが「承認される可能性はある」と述べる一方、「依然として大きな課題が残っている」と指摘。EU側が要求している600億ユーロに上る清算金が最大の鍵を握るとの認識を示した。また、あるEU高官は「バルニエ氏が首脳会議で加盟国に通商協議入りを勧告するためには、英国にとって12月4日が新たな譲歩案を提示できる最終期限だ」と説明。メイ氏もその期日に合意していると付け加えた。

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