日本電産は1日、独子会社のドイツ日本電産モーターズアンドアクチュエーターズ(NMAG)が車載向け電子制御ユニット(ECU)のハードウエア・ソフトウエアのシステム設計・開発を手がける独ドライブエクスパートを買収したと発表した。戦略市場と位置づける車載モーター・ECUの分野で競争力を強化する考え。買収金額は明らかにしていない。
車載モーター・ECU市場は車載パーツの電動化の加速によって急成長しており、現在の2.8兆円から2030年には2倍強の6兆円規模に拡大すると予想されている。日本電産は自社の車載向けモーター、モーター応用製品とドライブエクスパートのECU設計・開発技術を組み合わせることで、高性能・高信頼の製品を提供していく。また、動力源の電動化が急速に進む自動車市場で「安全」「環境」「快適」の基本性能をより高い次元で実現するためのソフトの重要性が確実に増していくと予想されることから、ハードとソフトの両面で顧客の要望にスピーディーに対応する。
ドライブエクスパートは2010年の設立で、従業員数は23人、2016年の売上高は120万ユーロ。本社所在地イルメナウの工科大学と共同研究を実施するほか、同大学の学生を受け入れている。日本電産は同子会社で今後も実学教育を通じたエンジニア人材の育成に努め、欧州車載事業の盤石化を図る。