欧州中銀、物価・成長見通しを上方修正

欧州中央銀行(ECB)は14日発表した最新の内部経済予測で、ユーロ圏の2018年のインフレ率を1.4%とし、前回(9月)の1.2%から0.2ポイント上方修正した。向こう3年間の予想成長率も引き上げた。ただ、同日に開いた定例政策理事会は、物価の基調はなお弱いとして、主要政策金利など現行金融政策の維持を決定。ドラギ総裁は量的金融緩和策についても、10月に決めた方針を維持する意向を表明した。

予想インフレ率は17年、19年が1.5%で、前回から据え置いた。初めて発表した20年は1.7%となっている。一方、予想成長率は17年が2.4%、18年が2.3%、19年が1.9%となり、それぞれ前回の2.2%、1.8%、1.7%から上方修正した。20年は1.7%。

ECBは10月の政策理事会で、ユーロ圏の国債などを買い入れる量的緩和策について、12月末となっていた実施期限を2018年9月まで延長しながらも、1月以降の購入額は現在の月600億ユーロから半額の300億ユーロに減らすことを決めた。

ユーロ圏では景気の緩やかな回復が続いている。インフレ率もECBが目標とする「2%をわずかに下回る水準」を割り込んでいるものの、デフレ懸念は失せた。

それでもドラギ総裁は理事会後の記者会見で、「物価の上昇基調が持続すると確信するに足る兆しはない」と発言。量的緩和の終了には言及せず、必要に応じて18年9月以降も継続し、買い入れ額を増やす用意があるという従来の方針を維持する考えを表明。主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナスとしている超低金利政策に関しても、当面は継続し、国債買い取りが終了するまで利上げを見送ることを確認した。

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