ドイツ銀、ポーランドのリテール事業など売却

ドイツ銀行は14日、ポーランドのリテール事業などをスペイン同業バンコ・サンタンデールの現地子会社バンク・ザホドニに売却することで合意したと発表した。リテール事業見直しの一環。ポーランドはリテール市場の競争が厳しい上、外資優位の銀行業界への政府の風当たりも強まっていることから売却を決めた。2018年10~12月期の売却手続き完了を見込む。

ドイツ銀はポーランド子会社ドイチェ・バンク・ポルスカのリテール事業と、証券子会社DBセキュリティーズを3億500万ユーロで手放す。外貨建て住宅融資ローン債権は対象に含まれない。ドイツ銀はポーランド事業を今後、企業顧客、投資銀行分野に絞り込む。

外貨建て住宅融資ローン債権を譲渡対象から除外したのは、同国事業から仮に撤退する場合でも同債権を売却しないよう政府が銀行に強く要求しているためだ。

ポーランドでは金融危機前に金利の安い外貨建てで住宅ローンを組む人が相次いだ。特に2007、08年にはスイスフラン建て契約の締結数が50万件に上った。しかし、その後にポーランドの通貨ズロチが対スイスフランで急落したことから、当該顧客の債務負担が激増。大きな社会問題となっている。ドイツ銀は声明で「外貨建て融資を受けた顧客とは今後も取引を行う」としている。

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