英政府は11日、プラスチックの消費抑制を柱とする向こう25年間の環境対策を発表した。レジ袋有料化の対象を拡大したり、プラスチック容器包装の削減を促すなどして、2042年までに不要なプラスチックごみをなくすことを目指す。
メイ首相は世界全体で年間800万トンに上るプラスチックごみが海に流れ込み、海辺に生息する鳥や哺乳類がビニールやプラスチック容器の破片を飲み込むなどして、生態系に深刻な影響が出ていると指摘。「EU離脱によって英国の環境対策が後退することはない。英国が環境分野で主導権を握る」と強調し、「プラスチックの需要を減らして不要なプラスチックごみをなくさなければならない」と訴えた。
英国ではすでに全土でレジ袋が有料化されているが、イングランドではフルタイムの従業員が250人以上のスーパーマーケットや衣料品店などに対象が限定されている。25年計画では規制の対象を全ての小売店に広げ、レジ袋1枚につき5ペンス(約7.5円)の負担を消費者に求める。
このほか、プラスチック容器やビニール袋などで包装されていない商品の取り扱いを促し、スーパーマーケットに「プラスチックフリー」のコーナー設置を求めることや、野生生物の減少に歯止めをかけるため、新たに50万ヘクタールの生息域を整備することなどが計画に盛り込まれている。
国内でEU離脱による環境政策への影響を懸念する声が高まる中、政府は昨年、ガソリン車やディーゼル車の販売を40年までに禁止する方針を打ち出した。また、今月9日には微細なプラスチック粒子「マイクロビーズ」を含む製品の製造を同日付で禁止。同粒子が使用された製品の販売も年内に禁止すると発表している。