クアルコムの蘭NXP買収、欧州委が条件付きで承認

欧州委員会は18日、米半導体大手クアルコムがオランダ同業NXPセミコンダクターズを買収する計画を承認したと発表した。クアルコムが提案した競争上の是正策を実行することが条件となる。

クアルコムは2016年10月、総額470億ドル(負債引き受け分を含む)でNXPを買収すると発表。17年4月末に欧州委に買収認可を申請した。しかし、欧州委はスマートフォンの機能を利用した電子決済サービスなどに使われる近距離無線通信(NFC)技術用のICチップなどの分野でクアルコムの支配力が強まり、ライバルが市場から締め出されて価格上昇を招いたり、技術革新が妨げられる恐れがあるとして認可を保留し、6月に本格的な調査を開始していた。

これに対してクアルコムは、NXPが持つ非接触ICカード通信規格マイフェアの特許、商標を他社が8年間は少なくとも現在と同じ条件で利用できるようにすることや、近距離無線通信規格であるNFCの標準必須特許を取得対象から外すといった是正策を提案。欧州委は同措置によって競争上の懸念が解消されるとして、その実施を条件に買収を承認した。

同買収はこれまでに米国、ロシアなど6カ国の競争当局の承認を得ていた。18日には韓国でも承認され、残る中国当局の承認を経て実現する見込みだ。

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