EU加盟国は25日、域内におけるエネルギーの安定供給を確保し、持続可能なエネルギー社会を実現するため、合わせて17件のプロジェクトに総額8億7,300万ユーロの補助金を拠出する計画を承認した。エネルギー・運輸・通信の3分野でインフラ投資を促進するための財政支援措置「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(CEF)」から資金を提供する。
対象となるプロジェクトの内訳は、電力部門が8件(計6億8,000万ユーロ)、ガス部門が9件(計1億9,300万ユーロ)。このうち最大のプロジェクトはフランス・スペイン間で電力を融通するための相互接続網の構築で、5億7,800万ユーロが拠出される。欧州委員会によると、CEFを通じたエネルギーインフラへの資金支援としては過去最大規模。ビスケー湾の海底に全長280キロメートルの海底ケーブルを敷設し、両国間で相互接続の最大容量を現在の280万キロワットから500万キロワットに引き上げる計画だ。
電力部門ではこのほか、南北ドイツを地中送電ケーブルでつなぐ「ズードオストリンク」計画に7,000万ユーロが拠出される。全長580キロメートルの高圧送電ケーブルを敷設して、風力発電施設が集中する北部と電力消費量の多い南部をつなぎ、近隣諸国との相互接続も可能にする。
一方、ガス部門では、キプロスに天然ガスを導入するプロジェクトに1億100万ユーロ、マルタとイタリアをつなぐガス供給網の構築に向けた調査に370万ユーロが拠出される。