ユーロ圏の景気が堅調を持続している。EU統計局ユーロスタットが1月30日発表した2017年10~12月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.6%増となり、伸び率は前期の0.7%から0.1ポイント縮小したものの、高水準を維持。19四半期連続のプラス成長となった。17年通期の成長率は2.5%で、リーマンショックに端を発した金融危機の直前の07年以来10年ぶりの高い伸びを記録した。
10~12月期の前年同期比の伸び率は2.7%。EU28カ国ベースでは17年通期が2.5%、10~12月期が前期比0.6%でユーロ圏と同水準。10~12月期の前年同期比は2.6%だった。
ユーロスタットは国別のGDPを2月14日に公表する予定。これまでに主要国当局が発表した17年通期の成長率は、フランスが1.9%、ドイツが2.2%、英国が1.8%。フランスは設備投資が3.7%増と好調だったことに支えられ、2011年以来の高成長となった。
ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和、世界経済拡大の効果で景気回復が進んでいる。18年もユーロ高という懸念材料はあるものの、先行きへの楽観が広がっており、EUの欧州委員会が同日発表した1月の景況感指数(ESI、標準値100)は114.7となり、17年ぶりの高水準だった前月から0.6ポイント縮小したが、高いレベルを堅持した。