ユーロ圏の18年予想成長率、2.3%に上方修正=欧州委冬季予測

欧州委員会は7日発表した冬季の経済予測で、ユーロ圏の2018年の域内総生産(GDP)実質伸び率を2.3%とし、前回予測(11月)の2.1%から0.2ポイント上方修正した。この伸び率は10年ぶりの高水準だった前年の2.4%を下回るものの、雇用改善などに支えられて「堅実で持続的な成長」が続くとしている。(表参照)

19年の予想成長率は2%。前回から0.1ポイント引き上げた。EU28カ国の予想成長率は18年が2.3%、19年が2%で、それぞれ0.2ポイント、0.1ポイントの幅で上方修正した。

欧州委は報告書で「雇用市場と景況感の改善が進み、世界的な経済活動、貿易が予想以上に回復している」として、欧州では景気の好循環が強まっていると指摘。短期的には成長が予想を上回るとの見方を示した。ただ、英国のEU離脱をめぐる交渉が不透明なことや、世界的な保護主義の広がりなど、下振れリスクもあると警告した。

主要国の18年の予想成長率はドイツが2.3%、フランスが2%、イタリアが1.5%、スペインが2.6%。英国に関しては、EUとの貿易関係が離脱後も変わらないことを想定しても、個人消費の鈍化、ポンド安による物価上昇の影響で1.4%と、17年の1.8%から大きく縮小すると予想した。19年は1.1%まで低下するとみている。

一方、ユーロ圏の18年の予想インフレ率は17年と同水準の1.5%。景気回復は進んでいるが、雇用の改善が緩やかで、賃上げ圧力も弱いことから、前回から0.1ポイントの上方修正にとどめた。19年は前回と同じ1.6%に据え置いた。

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