中国の民営投資会社、復星国際は22日、フランスの老舗服飾ブランド「ランバン」を買収すると発表した。買収額や取引後の出資比率など詳細は不明だが、復星は台湾の女性実業家、王効蘭氏から過半数株を取得するとしており、取引額は1億ユーロ前後との見方が出ている。
復星は仏リゾート施設運営会社「クラブメッド」やギリシャの宝飾ブランド「フォリフォリ」、イタリアの紳士服ブランド「カルーゾ」などに出資している。同社は中国消費者の強大な購買力を背景に、今後も高級ブランドや富裕層向けにサービスを提供する有力企業への投資を拡大する方針を打ち出している。
ランバンは1889年創業のフランスを代表するファッションブランド。今世紀に入り、イスラエル出身の人気デザイナー、アルベール・エルバス氏の指揮下で大幅に業績を伸ばしたが、15年に同氏が退職した後は人材確保に苦慮し、売り上げが低迷している。同社は財務情報を公開していないが、事情に詳しい関係者によると、16年決算は1,830万ユーロの赤字となり、17年は損失が2,700万ユーロ以上に拡大するとみられている。
ランバンには王氏が75%出資し、残り25%をスイスの実業家ラルフ・バルテル氏が保有している。復星によると、王氏とバルテル氏は今後もランバンの少数株を維持するという。