EUの男女賃金格差は16%、5年で0.6ポイント改善

EU統計局ユーロスタットは8日、2016年の女性の平均賃金が時給換算で男性を16.2%下回ったと発表した。これは15年と同じ水準で、5年前の11年と比べても0.6ポイントの改善にとどまった。欧州委員会は男女間の賃金格差解消に向け、加盟国に賃金の透明性を高める取り組みを強化するよう求めているが、格差が依然として大きい実態が浮き彫りになった。

EUは3月8日の国際女性デーに合わせて毎年、労働市場の実態に関するさまざまなデータを公表している。16年の統計によると、EU加盟国のうち男女の賃金格差が最も小さかったのはルーマニアの5.2%で、イタリア(5.3%)、ルクセンブルク(5.5%)、ベルギー(6.1%)、ポーランド(7.2%)、スロベニア(7.8%)と続いている。これに対し、格差が最も大きかったのはエストニアの25.3%で、次いでチェコ(21.8%)、ドイツ(21.5%)、英国(21.0%)、オーストリア(20.1%)となっている。

一方、過去5年間に男女間の賃金格差が最も縮小した国はルーマニアで、11年と比べて4.4ポイント改善した。このほかハンガリー、スペイン、オーストリア、ベルギー、オランダでも3ポイント以上の改善がみられた。しかし、ポルトガルでは4.6ポイント、スロベニアでも4.5ポイント格差が拡大するなど、10カ国で5年前より状況が悪化した。

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