BASF、バイエルの野菜種子事業買収に向け交渉

化学大手の独BASFは7日、同業バイエルが「ヌンヘムス」ブランドで展開する野菜種子事業の取得に向けて独占交渉を行っていると発表した。バイエルは米農業化学大手モンサントの買収に伴い、EUから一部事業の売却を求められており、その一環として野菜種子事業を放出する。BASFは昨年10月にバイエルの農薬・種子事業の一部を取得する契約も調印しており、バイエルのモンサント買収で大きな恩恵を受けることになりそうだ。

バイエルは2016年9月、モンサントを最大660億ドルで買収することで合意した。これに関してEUの欧州委員会は17年、農薬、野菜の種子などの分野で両社が大きなシェアを持ち、とくに雑草に効力があるが作物には影響を及ぼさない選択性除草剤で競争が阻害される恐れがあるとして承認を見送り、本格的な調査を進める方針を打ち出した。

バイエルは欧州委が指摘する競争上の問題に対応するため、10月に農薬・種子事業の一部を独BASFに59億ユーロで売却することで合意。さらに、追加で何らかの措置を講じる意向を表明していた。

一方、BASFは農業化学業界でM&Aの機運が高まったことを踏まえ、競合の買収・合併計画に対し独禁当局が一部事業の放出を命じると予想。そうした事業の買収に16年時点で意欲を示していた。

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