仏政府統計局(INSEE)が3月26日発表した2017年の財政統計によると、同年は国内総生産(GDP)比2.6%の赤字となったものの、赤字幅は前年の3.4%から縮小し、EUの財政規律で上限となっている3%を下回った。仏の財政規律順守は07年以来10年ぶりとなる。
フランスは財政健全化より景気を優先する政策が続き、EUの財政規律を順守してこなかった。しかし、昨年5月に発足したマクロン政権が財政改善に舵を切り、住宅手当の削減など緊縮策を推進。17年は景気の復調で税収が増えたこともあって赤字削減が進み、予定より1年早く規律違反状態から脱した。赤字幅は政府が目標としていたGDP比2.9%を下回った。
ユーロ圏ではフランス、スペインの2カ国がEUから過剰赤字是正手続きを発動されている。フランスは財政改善により、同手続きを解除される見通しだ。