ノバルティス、遺伝子治療の米エイベックシスを買収

欧州製薬大手のノバルティス(スイス)は9日、遺伝子治療を手掛ける米エイベックシスを買収することで合意したと発表した。遺伝子治療薬部門の強化が狙いで、買収額は87億ドルに上る。

1株当たりの買い取り価格は218ドル。前営業日の終値に88%を上乗せした水準となる。今年半ばの買収手続き完了を見込む。

エイベックシスは米ナスダックに上場する企業。神経変性疾患の難病である脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬「AVXS-101」の開発を進めている。

ノバルティスは昨年10月に放射性医薬品製造の仏アドバンスト・アクセラレーター・アプリケーションズ(AAA)の買収を発表するなど医療用医薬品事業の強化を進めている。今回の買収も同戦略の一環。同社は3月末、英グラクソ・スミスクライン(GSK)と展開してきた一般用医薬品の合弁会社の株式36.5%をGSKに130億ドルで売却すると発表したばかりで、同取引で得た資金をエイベックシス買収に活用するとみられる。

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