シャイアー、武田薬品の買収提案を拒否

武田薬品工業は19日、アイルランドの製薬大手シャイアーに買収を提案したことを明らかにした。買収額は約440億ポンド(約)で、日本企業による海外での買収としては過去最大規模となるが、シャイアーは拒否している。

武田のシャイアー買収は、希少病医薬品部門とがん、消化器系疾患、神経精神疾患の治療薬部門の底上げが狙い。同社は3月末、買収を検討していることを明らかにしていた。

買収提案はシャイアーを1株につき現金17.75ポンドを支払うほか、28.75ポンド相当の武田の新株と交換する形で取得するという内容。1株当たりの買い取り価格は46.5ポンドとなる。

シャイアーは同社に新薬候補が多く、さらなる成長が期待できるとして、武田の提案を「当社の企業価値を著しく過小評価している」と批判。取締役会が全会一致で拒否を決めたと発表した。

シャイアーによると、武田から買収提案を受けたのは3月末以降で3回目。1株当たりの買い取り価格は1回目が44ポンド、2回目が45.5ポンド。武田は46.5ポンドまで引き上げたが、シャイアーは応じなかった。これを受けて武田は20日、同価格を47%まで増額すると発表。シャイアーは新提案を検討する意向を示した。

シャイアーをめぐっては、アイルランド同業のアラガンも19日に買収を検討していると発表したが、アラガンの一部の株主が同買収に難色を示し、株価が下落したことから、すぐに撤回を表明した。

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