欧州委員会は4月30日、独化学大手BASFが独同業バイエルから種子・農薬事業の一部を取得する計画を条件付きで承認したと発表した。BASFは競争上の懸念が指摘された事業の売却を求められる。
米農業化学大手モンサントの買収を決めたバイエルは、欧州委から承認の条件として農薬・種子事業の一部を売却することを求められ、BASFに野菜種子事業や「リバティ」「バスタ」「フィナーレ」ブランドで展開する非選択的除草剤事業、「ポンチョ」「ボーティボ」「コペオ」「イレボ」ブランドで販売されている種子処理製品、デジタル農業プラットホームなどを売却することで合意していた。
欧州委は同取引について、非選択的除草剤や線虫を防除する種子処理に関する研究開発をめぐり、欧州での健全な競争が阻害される恐れがあると判断した。これに対してBASFが、同社とバイエルで重複する非選択的除草剤の研究開発の一部と、BASFが展開する線虫予防種子処理事業を手放すことを提案したことから、その実施を条件に承認した。