ネオニコチノイド系農薬の禁止、住友化学が批判

住友化学は11日、EUがミツバチの大量死や大量失踪の主な原因とされるネオニコチノイド系農薬3種の屋外使用禁止を決めたことを「非科学的な対応」として批判する声明を発表した。

EU加盟国は4月、ネオニコチノイド系の農薬とミツバチが突然失踪する「蜂群崩壊症候群」との関連性が指摘されていることを受けて、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種について屋外での使用を全面的に禁止することで合意した。

クロチアニジンを製造している住友化学は同決定について、ミツバチの大量死、大量失踪と農薬の関連性が科学的に完全に裏付けられていないことから、加盟国の多くが反対していることに触れ、「非科学的で一貫性を欠いた対応」と指摘。「クロチアニジンがハチのミツバチの大量死、大量失踪の主たる原因ではないとする住友化学の見解に何ら影響を与えるものでもない」とコメントした。

その上で同社は、EUがネオニコチノイド系農薬の使用を制限することで、「農業従事者が有用で安全な防除手段を使用できなくなり、欧州での効率的な農業生産、食糧供給に支障をきたすことが懸念される」として、遺憾の意を示した。

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