ボーダフォン、リバティの独事業など買収

英携帯電話サービス大手ボーダフォンは9日、米メディア大手リバティ・グローバルからドイツなど欧州事業の一部を買収することで合意したと発表した。買収額は184億ユーロ(負債76億ユーロの引き受けを含む)。これによって欧州で携帯電話、固定電話、ブロードバンド、有料テレビの4サービスを1つの回線で提供する総合通信事業者としての地位を強化する。

買収するのはリバティがドイツ、チェコ、ハンガリー、ルーマニアで展開する事業。ドイツではケーブルテレビ(CATV)大手ユニティメディアを買収する。2019年半ばまでの買収手続き完了を見込む。ボーダフォンによる買収としては、2000年の独マンネスマン買収以来の大型案件となる。

ボーダフォンは2014年、CATV独最大手のカーベル・ドイチュラント(KD)を107億ユーロで買収し、同国のCATV市場に参入した。ユニティメディアを買収すると、これまで進出していなかった地域でケーブル通信網を確保し、全土でケーブル通信網を運営する事業者となり、通信最大手ドイツテレコムを追撃する体制が整う。

ただ、同買収はEUの欧州委員会による承認が必要。ドイツテレコムは競争上の問題があるとして反発しており、欧州委の審査が長期化する可能性がある。

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