ネオニコチノイド系農薬の使用制限、EU裁が支持

EU司法裁判所は17日、欧州委員会がネオニコチノイド系農薬3種の使用を制限したことを不服として農薬メーカーが提訴した問題で、原告の訴えを退ける判決を下した。

ネオニコチノイド系の農薬は害虫駆除の効果が高く、世界各地で広く使用されているが、近年はミツバチが突然大量に失踪する「蜂群崩壊症候群」との関連性が指摘されている。欧州委は2013年、欧州食品安全機関(FESA)がミツバチの中枢神経系に作用して麻痺や死をもたらすとの分析結果をまとめたのを受け、ネオニコチノイド系農薬のうちクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種について、13年7月からミツバチを誘引するトウモロコシ、ナタネ、ヒマワリ、ワタなどへの使用を原則禁止とした。

これに対して対象農薬を製造・販売する独バイエルクロップサイエンスとスイスのシンジェンタは、ミツバチに悪影響を及ぼすことが科学的に完全に立証されていないとして提訴したが、EU裁の一般裁判所は欧州委の使用制限を妥当と認定した。

EUでは4月27日、ネオニコチノイド系農薬の屋外使用を全面的に禁止することで加盟国が合意したばかり。これによって同農薬はすべての作物で禁止され、温室栽培での利用に限って認められることになった。

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