欧州委員会は17日、ドイツなど6カ国がEUの大気汚染規制に違反したとして、EU司法裁判所(ECJ)に提訴したと発表した。改善措置を取るよう求めてきたが、対応が不十分だったことから提訴に踏み切った。
提訴されたのはドイツとフランス、英国、イタリア、ハンガリー、ルーマニア。加盟国に窒素酸化物(NOx)の濃度を1立方メートル当たり40マイクログラム(年平均)以下に抑制することを義務づけるルールを順守していないことが問題視された。
欧州委は6カ国に対する是正手続きを2015年に開始。昨年2月には最終警告書を送付し、早急に対応しなければEU裁に提訴する意向を示していた。
NOxはディーゼル車が主な排出源となっている。ドイツ政府は昨年、NOx排出削減に向けてディーゼル車エンジンのソフトウエアを再インストールすることなどを国内の自動車メーカーとの間で取り決めた。しかし、欧州委は同措置では濃度を十分に引き下げることができないと判断し、提訴に踏み切った。