欧州委員会は8日、主に合成樹脂の原料となるスチレンモノマーを扱う複数の企業がカルテルを結んでいた疑いがあるとして、域内の関係各所に立ち入り調査を実施したことを明らかにした。対象企業の具体名は公表していない。
スチレンモノマーはポリスチレンやABS樹脂などのプラスチックのほか、ゴムや塗料の原料となる化学物質で、自動車部品、家電製品、事務機器、粘接着剤など幅広い製品に利用されている。
欧州委によると、域内に拠点を置く複数の製造業者がスチレンモノマーの仕入れに際し、カルテルを結ぶなど競争制限的行為を行った疑いがもたれている。同委は関係国の競争当局の協力を得て、今月5日に立ち入り調査を実施した。