ギリシャ・ナショナル銀の保険子会社、中国企業が買収提案

ギリシャの金融大手ギリシャ・ナショナル銀行(NBG)は8日、中国の投資会社Gongbaoからグループ傘下のナショナル保険に対する買収案が提示されたと発表した。金額面など買収提案の詳細は公表していない。NBGは再建計画の一環としてナショナル保険の売却を表明しており、Gongbaoの提案を含め、あらゆる選択肢を検討すると説明している。

ギリシャの債務危機で資本不足に陥った同国の大手銀行は、金融支援を受ける条件として欧州委員会から事業の整理を求められている。NBGも支援を受けた銀行のひとつで、これまでにルーマニアとセルビアの子会社を売却している。ナショナル保険をめぐっては、米カラモス・インベストメンツとオランダのEXINパートナーズが総額7億1,800万ユーロで株式75%を取得することで合意していたが、法的手続きに関して両社の間で対立が生じ、破談に終わった経緯がある。

財政再建中のギリシャではここ数年、買収や資本参加を通じた中国からの投資が急速に拡大している。ギリシャ政府は国際金融支援を受ける条件として約束した国営企業の民営化を進めており、2016年には同国最大の港であるピレウス港を運営する港湾公社の経営権を中国海運最大手の中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)に売却している。

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