欧州委員会は12日発表した最新の経済予測で、ユーロ圏の2018年の域内総生産(GDP)実質伸び率を2.1%とし、前回予測(5月)の2.3%から0.2ポイント下方修正した。EUと米国の貿易摩擦、原油高で景気回復のペースが鈍ると予想している。(表参照)
EU28カ国の予想成長率は前回を0.2ポイント下回る2.1%。19年はユーロ圏、EUとも2%で、前回から据え置いた。
ユーロ圏の18年の予想成長率は、17年実績の2.4%を0.3ポイント下回る水準。欧州委は米政府が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を発表したことで、欧州経済がすでに悪影響を受けているが、貿易摩擦がさらに激化する恐れがあり、下振れリスクが強まっていると指摘した。また、イランへの経済制裁再開で原油高が進むこともマイナス要因に挙げた。
一方、ユーロ圏のインフレ率に関しては、原油高が物価を押し上げるため、18年は前年を0.2ポイント上回る1.7%に拡大すると予想。前回から0.2ポイント上方修正した。
主要国の18年の予想成長率はドイツが1.9%、フランスが1.7%、イタリアと英国が1.3%。前回と比べてドイツは0.4ポイント、フランスは0.3ポイント、イタリアと英国は0.2ポイントの引き下げとなった。