欧州航空宇宙大手エアバス・グループは14日、超大型旅客機「A380」の生産を打ち切ると発表した。需要が低迷し、最大の顧客であるアラブ首長国連邦のエミレーツ航空が発注を大幅に削減したためだ。2021年の納入を最後に幕を引くことになる。
エミレーツはA380を計162機、発注していた。しかし、これを123機に減らすことでエアバスと合意。これから納入するA380が53機から14機に減少した。
エアバスはA380の初飛行を05年に行い、07年に納入を開始した。機体はそれまで最大の航空機だった競合ボーイングの747型機を大きく上回っており、世界的に注目を集めた。当初は受注が多かったものの、機材が高額で燃料消費量も多いことから、「投入して利益を上げられるのは極めて需要の多い路線に限られる」(ルフトハンザ航空カルステン・シュポール社長)という難点があり、その後は減速。エアバスはすでに14年の時点で、生産停止があり得ることを明らかにしていた。
エミレーツは今回、A380を39機キャンセルする一方で、燃費が良く幅広い路線への投入も可能な大型機「A330-900」と「A350-900」をそれぞれ40機、30機、発注した。