製薬大手の独バイエルは15日、開発・販売で提携する米バイオ企業ロクソ・オンコロジーから2種類のがん治療薬の権利を取得すると発表した。米製薬大手イーライリリーが1月にロクソを買収することで合意したことから、バイエルは与えられていた権利を行使し、ロクソと共同開発してきた医薬品「ラロトレクチニブ」と「ロクソ-195」の独占開発・販売権を獲得する。
ラロトレクチニブとロクソ-195は特定部位のがんではなく、特定の遺伝子異常を対象とした新しいタイプのがん治療薬。神経栄養因子(ニューロトロフィン)受容体の一つである「トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)」の突然変異に照準を絞った医薬品であるため、TRKの突然変異が起きた患者であれば、がんの発生部位を問わずすべてのがんで効果が期待できる。もともとはロクソが単独で開発してきたが、2017年にバイエルとの共同開発へと切り替えた。