租税回避地ブラックリスト、UAEなど加え15カ国・地域に

EUは12日開いた財務相理事会で、租税回避対策に非協力的な国・地域を列挙した「ブラックリスト」にアラブ首長国連邦(UAE)やオマーンなど10カ国・地域を追加する案を承認した。これでブラックリストの掲載国は15カ国・地域となった。一方、引き続き監視対象となる「グレーリスト」には34カ国・地域が掲載された。

EUでは加盟国が独自にタックスヘイブン(租税回避地)のリストを作成し、対象となる税法域の監視を行ってきたが、2017年12月の財務相理で初めてEU共通のブラックリストを承認した。タックスヘイブンを利用した多国籍企業や富裕層による課税逃れを防止するため、EUレベルで監視体制を整え、課税ルールを見直すよう圧力を強めるのが狙いで、パナマや韓国、チュニジア、マカオなど17カ国・地域が租税回避対策に非協力的と認定された。

ブラックリストに掲載された15カ国のうち、17年からリスト入りしているのは米領のグアム、サモア、バージン諸島、トリニダード・トバゴ、サモア独立国の5カ国・地域。UAEとバルバドス、マーシャル諸島の3カ国は税制の見直しを約束したことでブラックリストからグレーリストに移されたが、改善がみられないため再びブラックリスト入りした。また、最初にグレーリストに掲載されていたオマーン、バヌアツ、オランダ自治領アルバ、英領バミューダなど7カ国・地域も改善がみられないとして、今回ブラックリストに移された。

欧州委員会は2月、新たにサウジアラビアをブラックリストに掲載する案を提示したが、同国と経済的なつながりの深い英国やフランス、ドイツがこれに反対。加盟国は今月7日の閣僚理事会でリスト案を拒否した経緯がある。

上部へスクロール