米フォードがロシア乗用車市場から撤退、商用車生産は継続

米自動車大手フォードがロシアでの乗用車生産から撤退する。不採算地域の事業を再編するグローバル戦略に沿うもので、現地同業ソレルスとの合弁会社フォード・ソレルスで3工場を閉鎖。同国乗用車市場から撤退する。今後はロシアで商用バン「トランジット」の生産に集中する方針だ。同合弁の経営権はソレルスに譲渡する。

フォード・ソレルスの27日の発表によると、閉鎖するのはサンクトペテルブルク近郊のフセボロジスクとタタルスタン共和国のナーベレジヌイェ・チェルヌイにある組み立て工場と、同共和国エラブガのエンジン工場。閉鎖に伴い相当数の雇用が失われる見通しだ。

乗用車の生産は6月末で終了する。現在、フセボロジスク工場では「フォーカス」と「モンデオ」、ナーベレジヌイェ・チェルヌイ工場では「エコスポーツ」と「フィエスタ」を生産している。

フォードは2011年、ソレルスとの折半出資で同合弁を設立した。その後、優先株を取得して経営権を獲得していた。今後は出資比率を49%へと引き下げる。

フォードのロシア販売台数は昨年、前年比5.7%増の5万3,234台に拡大したものの、伸び率は市場全体(12.8%)を大きく下回った。市場シェアは13年の3.8%から3%まで低下している。

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