ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングスは22日、同社が中国の華為技術(ファーウェイ)との取引を停止すると英メディアなどが報じたことを受け、「米政府の規制を順守できるよう、関連機関と継続的に協議している」との声明を発表した。アームは「長期的なパートナーである(ファーウェイ傘下の)海思半導体(ハイシリコン)との関係を重視しており、迅速な解決を臨んでいる」とし、ファーウェイとの取引を停止していることを示唆した。
英BBCは22日、米国がファーウェイに対して禁輸措置を取り、米企業とファーウェイの取引を事実上、禁止したことを受け、アームがファーウェイとの取引を停止する旨、従業員に通知したと報じた。米国の新規制によると、外国企業も米国由来の技術が金額ベースで全体の25%を超える製品の供給が厳しく制限されるため、アームはファーウェイとの取引停止を決めたとされる。
アームはハイシリコンにマイクロプロセッサの設計情報を供給している。ハイシリコンはこれを基にチップセットを開発し、ファーウェイのスマホに搭載している。このためアームから設計情報の供給が止まると、ファーウェイは深刻な打撃を受けるとみられている。
こうした中、ファーウェイ創業者で最高経営責任者(CEO)の任正非氏は23日、中国メディアに対し、アームとの取引停止について「大きな影響はない。問題は解決できる」と語った。