「ZARA(ザラ)」や「Bershka(ベルシュカ)」などのブランドを展開する欧州衣料品最大手インディテックス(スペイン)は23日、カルロス・クレスポ最高執行責任者(COO)が次期最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を発表した。競争が激しいアパレル業界で成長を維持するため、これまでクレスポ氏が率いてきたデジタル戦略をさらに強化する。
クレスポ氏は2001年にインディテックスの財務部門に入社。在庫管理の統括責任者や監査部門の責任者などを経て、18年にCOOに就任した。同氏は取締役会と株主の承認を経て、7月にCEOに就任する。なお、パブロ・イスラ会長兼CEOは引き続き会長として経営を監督する。
インディテックスはオンラインと実店舗を統合する戦略を前面に打ち出し、ネットで商品をチェックしてから店舗で購入するスタイルを推奨したり、最寄りの店舗に在庫があるかどうかを確認できる仕組みを導入するなど、顧客の利便性を高めながら売り上げを伸ばすための取り組みを進めている。ただ、19年1月期決算は売上高が前期比3%、純利益は2%の伸びにとどまり、世界的に競争が激しくなる中で同社を取り巻く経営環境は厳しさを増している。
クレスポ氏は「インディテックスにとって重要な時期に重要な役割を担うことに興奮している。デジタル変革とサステナビリティを実現するには起業家精神とチームワーク、そしてイノベーションが必要条件になるが、それらはまさにインデックスの企業文化の要だ」とコメント。今後はさらにデジタル戦略を推進し、20年までにすべてのブランドをオンラインで購入できる体制を整える方針を示した。