新欧州委員長などの人選、6月下旬に決定へ

EU加盟国は5月28日、ブリュッセルのEU本部で臨時首脳会議を開き、欧州委員長など今秋に任期が切れる主要ポストの人選に着手した。6月下旬の首脳会議で決めることで合意したものの、2大国の仏独で意見が分かれており、調整は難航しそうだ。

任期切れとなるのはユンケル欧州委員長、トゥスクEU大統領(欧州理事会常任議長)、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁など。中でも最大の焦点となるのが、EUの内閣に当たる欧州委員会の委員長の人選だ。

欧州委員長は欧州理事会(EU首脳会議)が決定し、欧州議会が追認するシステムだった。しかし、2009年に発効したEUの新基本条約「リスボン条約」によって、理事会は欧州議会選挙の結果を考慮することになったため、前回は欧州議会の最大会派が推す候補者が委員長に就任する「Spitzenkandidat(ドイツ語で首位の候補者)」と呼ばれる仕組みが導入された。

5月23~26日に実施された欧州議会選挙では、中道右派の欧州人民党(EPP)が大きく議席を減らしたものの、最大会派の座を維持した。これを受けて独メルケル首相は、EPPが擁立するウェーバー欧州議員(独出身)を支持している。これに対して仏マクロン大統領は、ウェーバー氏が政府やEU機関の要職に就いた経験がないことから、同氏の次期欧州委員長就任に反対。前回の方式にとらわれず、適任者を選ぶべきと出張。他の多くの加盟国首脳も同調している。

マクロン大統領は欧州議会選で躍進したリベラル系・欧州自由民主連盟が推す女性のベステアー現欧州委員(競争政策担当、デンマーク出身)、英国とEUの離脱交渉でEU側の首席交渉官を務めるバルニエ氏(元仏外相)などを候補としている。

EUは6月20~21日に開く首脳会議で欧州委員長などの人選で合意することを目指す。人選は7月の欧州議会本会議で承認を受ける必要がある。

上部へスクロール