欧州航空宇宙大手エアバスの仏子会社エアバス・ヘリコプターズは5月28日、ハンガリー南東部のジュラに部品工場を建設すると発表した。現地政府と昨年末に交わした長期的な産業提携プロジェクトの覚書に基づくプロジェクトで、エアバスは政府と合弁会社を設立し、過半数株を取得して経営責任を負う。2021年の操業開始を予定し、数百人の雇用を創出する見通しだ。
ハンガリーの新工場ではヘリコプターの動力システムに関わる金属精密部品を製造する。政府は金属部品の表面加工を行う施設を整備するとともに、新工場の専門技術者の養成・研究機関として航空産業アカデミーを新設する計画だ。すでに国防省が同社からヘリコプター36機の購入を決めており、政府は需要創出面でも貢献する。
ジュラはエアバス・ヘリコプターズの中東欧生産拠点であるルーマニアとの国境に近いため、部品工場の立地として物流上大きな利点がある。ルーマニア中部のブラショフには国営航空機整備会社IARとの合弁会社と、2016年に新設したエアバス・ヘリコプターズ・インダストリーズがある。