独メディア大手アクセル・シュプリンガーは12日、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)による株式公開買い付け(TOB)で合意したと発表した。KKRの支援を受けて、業務のデジタル化推進を図る。
KKRはシュプリンガーの株式を1株当たり63ユーロで取得する。これはシュプリンガー出資交渉を行っていることが明らかになる直前(5月29日)の終値に39.7%を上乗せした水準で、同社を約68億ユーロと評価したことになる。最低20%の確保をTOBの成立条件としている。
同社の過半数株は創業家のシュプリンガー一族など身内が保有している。うち創業者の未亡人であるフリーデ・シュプリンガー氏(出資比率42.6%)と、同氏が信頼を置くマティアス・デップナー社長(同2.8%)は手持ちの株を今後も保有することから、TOBの対象となる株式の割合は54.6%となる。
シュプリンガーは発行部数がドイツ最大の大衆紙『ビルト』で有名な新聞社。高級紙『ヴェルト』も手がけている。事業のデジタル化に向けた資金が不足していることから、資金力とメディア・デジタル分野のノウハウを併せ持つKKRの助けを借りることにした。