欧州委員会は10日、製薬大手の英グラクソ・スミスクライン(GSK)と米ファイザーが一般用医薬品(大衆薬)事業を統合する計画を承認したと発表した。ファイザーが「サーマケア」のブランド名で展開する局所疼痛治療薬事業を売却することが条件となる。
GSKとファイザーは2018年12月、大衆薬)事業を統合することで合意した。誕生する新会社の売上高は約98億ポンド(約1兆3,800億円)となり、大衆薬で世界最大の企業となる。
欧州委の審査では、両社は局所疼痛治療薬事業で重複しており、統合によってドイツ、イタリア、オーストリア、オランダなどの市場で関連製品の価格が上昇するという競争上の問題が浮上した。これに対して両社が是正策として「サーマケア」の売却を提案したことから、その実施を条件に統合を認めた。
両社は2019年下期に統合を完了させる予定。誕生する新会社「GSKコンシューマー・ヘルスケア」にはGSKが68%、ファイザーが32%出資する。GSKは統合から3年後に新会社を切り離して英国で上場させる方針。これによってGSKは大衆薬の新会社、医療用医薬品とワクチンを手掛ける本体の2社体制となる。