西部ガス(福岡市)は5日、ロシア2位のガス会社ノバテクと合弁会社設立に向けた協議を開始することで合意したと発表した。北極圏産ガスを九州に貯蔵し、中国や韓国などアジア市場でのスポット需要に素早く対応できる体制を整える。
今回の合意は、昨年12月に九州のLNG貯蔵施設(ひびきLNG基地)の利用に向けて両社が交わした覚書の延長線上にあるもの。西部ガスは協議を通じて、同基地をアジア地域のLNG取引の拠点とすることや、同基地を活用したグローバル事業などを検討していく。基地の拡張も視野に入れている。
ノバテクは同基地を利用することで、海氷の少ない夏季の間にアジア向けLNGを消費地近くに備蓄。輸送費の削減を図る。
ノバテクは北極圏ギダン半島でLNG生産プロジェクト「アークティックLNG2」を進めている。2023年頃の生産開始予定で、年1,980万トンの生産を見込んでいる。ギダン半島西隣のヤマル半島ではすでにLNGの生産(アークティックLNG)を行っている。