独ミュンヘン再保険の元受子会社エルゴは10月28日、中国の自動車大手・長城汽車(GWM)と合弁会社を設立することで基本合意したと発表した。現地勢が強い中国の自動車保険市場に食い込む狙いがある。現地当局の承認を経て来年第1四半期(1~3月)から営業を開始する計画だ。
GWMが51%、エルゴが49%を出資して新会社を設立する。ミュンヘン再保険が再保険を引き受ける。
新会社ではGWMの約1,000社に上るディーラーを通じてエルゴの自動車保険を販売するほか、中国市場向けのモビリティソリューションを開発する。このほか、GWMの工場、ディーラー、ディーラー社員向けに保険を販売することも視野に入れている。GWMディーラーの従業員数は合わせて約7万人に上る。
中国の自動車保険は、80~90%がディーラーで販売される。GWMは車両販売台数がおよそ100万台で、現地市場6位に付けていることから、エルゴは同社と組むことで、同国自動車保険市場で大きな足場を得たことになる。
エルゴは2017年、自動車業界との戦略協業を推進する事業ユニット、エルゴ・モビリティ・ソリューションズ(EMS)を設立した。EMSはドイツ、米国、中国を戦略市場と位置づけている。