中国の吉利、英アストンマーティンに出資か

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は10日、中国自動車大手の浙江吉利控股集団が英高級車メーカーのアストンマーティンに出資する交渉を進めていると報じた。既に吉利の関係者がアストンマーティンの経営陣や株主に接触し、財務内容や資産の査定を行っているもよう。ただし、交渉によっては出資ではなく、技術提携にとどまる可能性もあるという。

アストンマーティンは1913年創業の老舗ブランド。2018年10月にロンドン証券取引所に上場したが、欧州での販売低迷などで業績が悪化し、株価はこの間に70%以上下落。経営の立て直しを図るため資金調達を模索しており、12月には投資家と出資に向けた交渉に入ったことを明らかにしていた。

吉利はスポーツカーの英ロータスとスウェーデンのボルボ・カーを傘下に置くほか、独ダイムラーの筆頭株主となっている。一方、ダイムラーはアストンマーティンの株式5%を保有しており、同社にメルセデス・ベンツの高性能車部門メルセデスAMGのエンジンなどを供給している。

報道に対し、吉利はコメントを拒否。アストンマーティンの広報担当も出資候補企業と交渉を行っていると述べるにとどめ、吉利についてはコメントを避けた。

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