イタリア政府は1日、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため実施している外出制限措置などを13日まで延長すると発表した。同日にはドイツのメルケル首相も、同様の措置を19日まで延長することを明らかにした。スペインも期限延長が見込まれる。
イタリアでは新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加したことを受けて、3月9日に「ロックダウン(都市封鎖)」と称される外出制限、生活に不可欠ではない店舗や工場を閉鎖する措置を発動。4月3日が期限となっていた。
同国では感染が収束に向かう兆しが出ている。当局の5日の発表によると1日当たりの死者数は525人となり、過去最多だった3月27日の969人から大きく減少。2週間ぶりの低水準となった。感染者数は12万8,948人で、依然として増えているが、増加のペースは鈍化している。米国に次ぐ状態だった感染者数は、スペインを下回った。4日には症状が重篤で集中治療を受けている患者の数が初めて減少に転じた。
しかし、コンテ首相は「規制を緩めたら、これまでの犠牲が無駄になる」と述べ、ロックダウン延長の必要性を強調。スペランツァ保健相は「厳しい制限措置の効果が出始めたが、危険が去ったわけではない」として、引き続き警戒するよう呼びかけた。
感染者数が欧州3番目となっているドイツも、感染のペースが抑えられつつある。それでもメルケル首相は「人の接触制限を見直すことができる状況には程遠い」として、ロックダウンを2週間延長し、19日まで継続することを決めた。
このほかEUでは、ポルトガル政府が同日、3月18日に出した非常事態宣言に伴う移動制限措置などを2週間延長すると発表した。
一方、スペインの感染者数は5日、前日を約6,000人上回る13万759人となったが、1日当たりの死者数は674人と前日の809人から減少。過去最多だった2日の950人を大きく下回った。イリャ保健相は同日の記者会見で「感染の鈍化が確認された」と述べた。
それでも、サンチェス首相は4日夜の国民向けテレビ演説で、3月14日から全土で実施しているロックダウンを2週間延長し、4月26日まで継続することを検討中と発表した。ただ、3月30日に実施した仕事のための外出を厳しく制限する措置に関しては、段階的に緩和する意向を表明した。