ユーロ圏の20年予想成長率、マイナス7.5%に下方修正=IMF

国際通貨基金(IMF)は14日に発表した最新の世界経済見通しで、世界全体の2020年の予想成長率をマイナス3.0%とし、前回(1月)のプラス3.3%から6.3ポイント下方修正した。新型コロナウイルスの感染が世界中に広がり、経済活動が停滞していることを受けたもので、ユーロ圏は1.3%からマイナス7.5%に引き下げた。(表参照)

世界の20年の成長率は1929~32年の大恐慌時以来の低水準。マイナス幅はリーマンショックに端を発した世界金融危機時の0.1%を大きく上回る。

ユーロ圏ではイタリアなど多くの国で新型コロナウイルスの感染拡大が深刻で、「ロックダウン」と称される移動制限などが実施されている影響で経済活動が大きく停滞している。IMFはイタリアが9.1%、スペインが8.0%、フランスが7.2%、ドイツが7.0%のマイナスになると予想している。

ユーロ圏外の主要国では、米国がマイナス5.9%、英国がマイナス6.5%、日本がマイナス5.2%。一方、中国は新型コロナ感染がピークを過ぎたことから、1.2%のプラス成長を維持すると予想しているが、前回から4.8ポイントの下方修正となる。

IMFは新型コロナ感染が多くの国で20年4~6月期にピークに達し、下期に収束して経済活動が徐々に再開されるという前提で予測を打ち出した。21年については、世界全体で5.8%、ユーロ圏で4.7%のプラス成長に回復すると予想した。ただ、収束がずれ込めば2年連続でマイナス成長になる恐れがあるとしている。

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