欧州で自動車生産再開の動き、トヨタやVWなど月内に

欧州では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月からほぼ全域で自動車の生産が止まっていたが、ようやく生産開始の動きが本格化してきた。ただ、感染拡大の収束に向けた見通しが立たない中、需要は大きく落ち込んでおり、生産活動が正常化するまでにはかなりの時間がかかりそうだ。

トヨタ自動車は13日、フランスの完成車工場で22日から一部生産を再開すると発表した。エンジンなどを生産するポーランドの部品工場も、23日から部分的に稼働を再開する。このほかロシアの工場は5月6日の再開を予定している。また、当面は稼働を停止するとしていた英国、チェコ、トルコの工場再開は5月4日以降になる見通しだ。

トヨタはフランスでの都市封鎖に伴い、3月17日から完成車工場の稼働を停止していた。工場での作業にあたり、従業員に防護服を支給したり、十分な間隔を確保するなどの対策を講じることが可能になり、当局や労働組合から工場再開の同意が得られた。同社は「各国政府の方針や新車需要を踏まえ、各工場の再開日を総合的に判断した」と説明している。

一方、独フォルクスワーゲンは15日、ドイツ中部のハノーバーや東部のケムニッツ、ポーランドなどの部品工場で生産を再開したと発表した。ドイツ東部ツウィッカウやスロバキアのブラチスラバにある完成車工場では20日から生産を再開。27日にはVWの本社があるウォルフスブルクの工場のほか、ポルトガル、スペイン、ロシアなどの工場も再開を予定している。

このほか仏ルノーは4月上旬にポルトガルの工場で一部生産を再開。21日にはルーマニアの工場も稼働を再開する。また、スウェーデンのボルボも20日に主力のトースランダ工場で生産を再開する方針を表明している。

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