欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2020/5/4

EU情報

1~3月のユーロ圏GDP3.8%減、過去最悪のマイナス成長に

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが4月30日に発表した2020年1~3月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比3.8%減となり、統計が開始された1995年以降で最大のマイナス成長を記録した。

前年同期比では3.3%減で、09年7~9月期以来の大きな下げ幅となった。

4~6月期にさらに大幅なマイナス成長となるのが確実な情勢だ。

EU統計局ユーロスタットが4月30日に発表した2020年1~3月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比3.8%減となり、統計が開始された1995年以降で最大のマイナス成長を記録した。3月に入って新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済活動と個人消費が停滞したことが響いた。

ユーロ圏がマイナス成長となるのは、ギリシャに端を発した債務危機に見舞われていた2013年1~3月期以来7年ぶり。10~12月期は0.1%のプラス成長だった。

前年同期比では3.3%減で、09年7~9月期以来の大きな下げ幅となった。1月に離脱した英国を除くEU27カ国ベースのGDPは前期比3.5%減、前年同期比2.7%減だった。

これまでにユーロ圏主要国の当局が発表した同期のGDP統計(前期比)によると、フランスは5.8%減、イタリアは4.7%減、スペインは5.2%減と、軒並みマイナスに落ち込んだ。下げ幅はフランスが1949年以来の高水準。イタリアは現行方式の統計を開始した96年以降、スペインは同95年以降で最悪となった。フランスは前期に0.1%減、イタリアは0.3%減だったため、2四半期連続のマイナス成長となり、景気後退入りした。

EUでは大半の国が新型コロナ対策として「ロックダウン」と称される厳しい外出制限、店舗営業規制を導入した。3月後半から実施されたため、それが経済に及ぼす影響は1~3月期には一部しか反映されていない。4~6月期にさらに大幅なマイナス成長となるのが確実な情勢だ。

ユーロスタットは現時点でデータがまとまっていないドイツを含む国別の同期のGDP統計を5月15日に公表する予定だ。