英HSBCが大幅減益、コロナ危機で貸倒引当金急増

英金融大手HSBCホールディングスが4月28日に発表した2020年1~3月期(第1四半期)決算の税引き前利益は32億2,900万米ドルとなり、前年同期から48%減少した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で取引先の企業の業績が悪化し、巨額の貸倒引当金を計上したことが響いた。

売上高に相当する経常収益も新型コロナ危機に伴って5%減った。同期の貸倒引当金は30億米ドル。前年同期の5億8,500万米ドルの4倍を超える水準だ。新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大していることで、取引がある企業への融資が焦げ付くリスクが急増していることが背景にある。原油価格の低下で、多額の融資を行っているシンガポールの石油取引大手ヒンリョン・トレーディングが経営難に直面していることも影響した。

HSBCは声明で、新型コロナ危機が長期化し、経済活動の停滞が年末まで続けば「当行の収益にさらなる打撃が及ぶ」と警戒感を示した。

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