経営難で国有化が決まった伊アリタリア航空は4日、ローマとニューヨークを結ぶ直行便の運航を5日から5月末まで停止すると発表した。これによって、すべての長距離線が運休となる。
アリタリアは新型コロナウイルス感染拡大前に毎日500便を運航していたが、現在は9割が運休している。ニューヨーク便はアリタリアが新型コロナウイルス感染拡大後も継続していた最後の長距離線だった。
同社は声明で、ニューヨークで新型コロナの感染拡大が続き、同便の4月後半の10日間の需要が急落したことから、運休に踏み切ったとしている。
アリタリアは格安航空会社(LCC)や高速鉄道との競争で業績が低迷。自主再建を断念し、2017年から政府の管理下で売却先を模索していたが、実現しなかった。このため伊政府は4月、同社を6月上旬に完全国有化すると発表していた。