ドイツ連邦統計局が15日に発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP)は実質ベースで前期比2.2%減となり、リーマンショック時の09年1~3月期(同4.7%減)以来の大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルス対策として3月に導入された「ロックダウン」措置で経済活動が停滞したことが響いた。
東西ドイツ統一後では2番目の大幅なマイナス成長。19年10~12月期のGDPが0.1%減だったため、2四半期連続のマイナス成長となり、景気後退入りした。
分野別では個人消費と設備投資が大幅に落ち込んだ。設備投資の下げ幅は、とくに機械、機器、自動車分野で大きいという。輸出と輸入も大きく落ち込んだ。
ドイツではロックダウンの影響が4月に集中しているため、4~6月期はさらに大きなマイナス成長となることが確実な情勢だ。
一方、EU統計局ユーロスタットが同日に発表した同期のGDPの最新統計によると、ユーロ圏のGDPは速報値と同じ前期比3.8%減となり、統計が開始された1995年以降で最大のマイナス成長を記録した。マイナス成長となるのは、ギリシャに端を発した債務危機に見舞われていた2013年1~3月期以来7年ぶり。10~12月期は0.1%のプラス成長だった。(表参照)
前年同期比は3.2%減で、速報値の3.3%減から0.1ポイント上方修正された。EU27カ国ベースのGDPは前期比3.3%減、前年同期比2.6%減で、それぞれ0.2ポイント、0.1ポイントの上方修正となった。
ユーロ圏ではフィンランドが前期比0.1%増となり、唯一のプラス成長だった。ドイツ以外の主要国はフランスが5.8%、イタリアが4.7%、スペインが5.2%の幅で落ち込んだ。
1月にEUを離脱した英国の同期の国内総生産(GDP)は前期比2.0%減で、リーマンショック時の08年10~12月期(2.1%減)以来、約11年ぶりの落ち込みとなった。とくに新型コロナ危機が深刻化した3月は前期比5.8%減となり、下げ幅は統計を開始した1997年以降で最悪の水準だった。